リーリエ

リーリエは強くなった。

 

ナッシーアイランドで、突然の雨、

リーリエとミヅキは雨宿りをした。

災難でしたね、と言いながらハンカチで身体を拭くリーリエを、ドキドキしながら横目で盗み見る。

このまま、時が止まっていまえばいいのに、ふたりだけの、この時が。

ぼんやりと、そんなことを考えていた、そんなとき

 

「ミヅキさん!」

 

笑顔のリーリエが目の前にいた。

 

「晴れましたよ!」

 

一時の雨だったらしい、気づけば空は、清々しいほど晴れていた。

たっ、走り出すリーリエ。

待って、そんな言葉も出ないうちに。

彼女は虹の下で笑って、こちらに手を振って。

嗚呼、彼女を閉じ込めておくことは無理みたい、悲しいけれど、寂しいけれど。

でも、この気持ちは一時的なものではないのよ。

だからこそ、質が悪いのだけど。