あなた
「博士!・・・リーリエ・・・??」
ククイ博士の研究所を訪ねる。真っ暗だ、ポケモンがいるばかりで、誰もいない。
一応、リーリエの住居スペースとなっているロフトも階段をのぼり、覗いてみる。・・・いない。
はあ、溜息を吐き、そのままリーリエが使っているソファベッドに腰を下ろさせて貰う。
リーリエ。まだ、知らない。まだ。
知りたい。もっと、もっと。
これは、友達としてなのか。
「謎の多い少女」相手としてなのか。
わからないけれど、知りたいんだ、もっと、もっと。欲求は膨れ上がるばかりだ。
守って、あげたい。
ククイ博士。リーリエとはただの「博士と助手」の関係なのだろうか?
こんなことまで考えてしまう、自分が嫌だ。救えない。
だって、大人の男性だ。素肌に白衣だ。
・・・何かあったらどうしよう。気が気ではない。 気 が 気 で は な い 。
はあ。
疲れた。
横になる。
リーリエの匂い。
むしよけスプレーの匂い。
心優しい少女。
人見知りで、謎が多くて。守ってあげたくなる。
ねえ、わたしはいつか、あなたを知れるかな。満足のいくまで。
瞼がだんだん、落ちてくる。最後に思い浮かぶのは、あなた。
わたしはあなたのこと・・・